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魚身を劣化させず瞬間大電流でアニサキスを殺虫、熊本大学などが開発

 熊本大学産業ナノマテリアル研究所の浪平隆男准教授らと株式会社ジャパン・シーフーズらの共同研究グループは、パルスパワー技術によって瞬間的に大電流を流すことにより魚身の内部にいるアニサキスを殺虫することに成功した。冷凍・加熱以外でアニサキス殺虫を可能とする世界初の新技術で、すでに特許出願済みだ。

 アニサキス食中毒は、生きたアニサキスを刺身などで食べた際に、アニサキスがヒトの胃に刺入することで生じる食中毒。水産業界では、アニサキス食中毒を防ぐことが長年の課題だ。現在、加熱せずにアニサキスを殺虫する方法は冷凍しかない。マイナス20℃で24時間以上冷凍するとアニサキスは死滅するが、魚身のドリップ流出・退色・食感の軟化など、品質が劣化する。また、販売には「解凍」表示が必要になり商品価値が著しく下がる。

 パルスパワーとは、200V(または100V)の電源から電気エネルギーを一旦コンデンサへ蓄積し、これらをマイクロ~ナノ秒レベルで取り出すことで得られる瞬間的超巨大電力のこと。研究グループは、魚身に瞬間的にこの大電流を流すことにより、魚身の温度上昇を抑え魚身中のアニサキスの殺虫に成功した。プロトタイプ機では、一度に3kgのアジフィーレ(3枚おろしにした片身)を約6分で処理できたという。解凍品に比べて品質の劣化が少なく、通常チルド品に近い品質が保たれる。

 すでにジャパン・シーフーズ工場にてアニサキス殺虫装置のプロトタイプ機が稼働しており、殺虫処理をした生食用刺身のサンプル出荷を今秋に予定している。今後実用化に向けて、低コスト・省エネルギーで殺虫処理できる条件を検証し、大量処理可能な装置開発を目指すとしている。

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