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サンマは10年で半減 マグロもサバも危ない…「魚の危機」なぜ起きた?

秋の味覚、サンマが不漁だ。マグロも捕れない。刺身、塩焼き、煮付け、寿司……日常的に食べる魚が激減している。日本の食卓に欠かせない魚たちに何が起きているのか。「魚の危機」が、すぐそこに迫っている。AERA 2019年9月30日号に掲載された記事を紹介する。

 サンマが捕れない。9月8日に東京・目黒駅東口で行われた「第24回 目黒のさんま祭り」。例年、岩手・宮古漁港で水揚げされた旬のサンマが無料で振る舞われるが、今年は不漁のため冷凍サンマを使った。

 宮城・気仙沼では水揚げ量が昨年比8分の1と激減。都内のスーパーで1尾200~300円の値がついている。旬の時期は1尾100円前後だったはずなのに。

 考えてみるとサンマだけじゃない。正月には「マグロ不漁」、夏には「ウナギ不足」が報じられた。もしや、日本の食卓に欠かせないお魚たちに何か異変が起きているのではないか。

 チャートは、水産庁が公表したここ10年間の魚の「資源量」をまとめたものだ。資源量とは、魚を石油や天然ガスのような“地球の資源(魚や貝、海藻など海から捕れる物=水産資源)”と考え、それぞれの魚が、ある時点でどれくらい現存しているかを推測した数値。水産庁は日本の食卓に登場する魚(50魚種84系群)について、それぞれ過去数十年分の資源量の変化から「高位」「中位」「低位」という表記で毎年発表している。

 高位は「多い」、中位は「中くらい」、低位は「少ない」という理解でいい。

 今回は減少傾向の強い魚16種を取り上げ、水産庁のデータだけでは資源量が判明しない「国際資源」のマグロ、カツオ、さけ、サンマも含めた。

 表を見ると、ホッケ、カレイ、マグロ、サバなどが特に危機的状況だとわかる。サンマは表を見る限り余裕がありそうな印象だが? チャートの作成に協力いただいた世界自然保護基金(WWF)ジャパンの前川聡さんは語る。

「サンマは『中位』で推移してきたものの、毎年じわじわと減り続け、結果的に過去10年で資源量が半分近くに減っています。サンマはロシアや台湾、中国、韓国での漁獲量も増えていますので、各国間で協力して国際的に管理しないと『減少を心配せずに食べ続けられる』とは言い難い状況なのです」

 サンマといえば日本の秋の味覚と思い込んでいたが、ロシア人や台湾人も好むとは。ほかの魚も同じなのだろうか。世界の水産資源の回復を目指す国際NPOの海洋管理協議会(MSC)日本事務所代表、石井幸造さんはこう話す。

「魚が減っている要因として、過剰な漁獲が挙げられます。健康志向の高まりや経済発展などにより、日本以外の国でも魚が好んで食べられるようになりました。こうした世界的な魚介類への需要の高まりが、過剰な漁獲につながっている可能性は否めません」

(サステナブル・フードジャーナリスト・浅野陽子、編集部・中島晶子)

※AERA 2019年9月30日号より抜粋

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