「花見ガニ」とも呼ばれ、花見時期には欠かせない春の味覚・トゲクリガニの漁が青森県野辺地町沖の陸奥湾で始まっている。12日も、漁業者が水揚げ作業などに汗を流した。漁は5月いっぱい続く見通し。 　同町の皆川和雄さん（78）は午前5時半ごろ出漁し、約3キロ沖の水深約25メートルに仕掛けた刺し網を引き揚げた。帰港後は浜小屋で、妻のしげさん（75）とともに「かぎ」という道具を使い、1匹ずつ丁寧に網から外していった。 　この日の漁獲は約40キロ。皆川さんは「今年は例年より大きい。これまでオスが中心だったが、（12日は）メスが多い」と語った。 　トゲクリガニは濃厚なカニみそや卵、びっしり詰まった身が特徴。野辺地町漁協によると、今年は海水温が低いため、例年より遅い3月下旬から4月上旬に漁が始まった。下旬にかけて最盛期を迎える。ここ数年同様に今年も豊漁が続いている。北海道の毛ガニが不漁となっている影響で、例年より高値で推移しているという。