川崎ブログ

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魚のうんちく

春到来!雛祭りに欠かせないハマグリ!実は日本人との関わりは非常に深いんです。

間もなく迎えるひな祭りにも欠かせない海の幸、ハマグリ。縁起の良い食べ物とされ、産卵を前にしたこれからの季節、特においしくなる。縄文時代の貝塚からもたくさんの貝殻が見つかっており、日本人との関わりはとても古い。

 ◆遊離アミノ酸

  「舌やいて焼蛤(はまぐり)と申すべき」

 高浜虚子

 ハマグリの上品なうまみ、また、焼いたときに立ち上る香りは、昔から日本人を魅了してきた。女子栄養大の西塔正孝准教授(水産学)は「ハマグリは遊離アミノ酸を多く含み、これが味に深みとコクを与えています。加熱したときに出るエキスは全部味わい尽くしたいですね」と話す。

 貝殻は、多くの貝殻を並べてひとつの貝殻に合う貝殻を見つける平安時代からの遊戯「貝合わせ」にも使われ、みやびな文化として人々の生活を彩ってきた。

 ◆巨大な水産加工場

 かつて、東京湾ではハマグリがたくさん取れた。海岸線がずっと内陸側にあった太古の昔からで、国内最大級の縄文時代の貝塚である「中里貝塚」(東京都北区、国史跡)からは、マガキとともにハマグリの貝殻が大量に出土している。見つかった遺構は、貝を処理する古代の巨大な「水産加工場」だったようだ。

 ハマグリの貝殻は4センチ以上の大きなものばかり。北区飛鳥山博物館学芸員の中島広顕(なかじまひろあき)さんは「小さな貝は大きく育つまで待って、資源を管理したのでしょう」と説明する。

 貝殻は周囲の集落だけで消費されたとは考えられないほどの量だ。中島さんは「干し貝にして、内陸の集落に供給していたようです」と話す。豊かな海の恵みは、多くの古代人の舌を楽しませていたようだ。

 時代は下って、東京湾のハマグリは千葉県浦安市などで多く水揚げされ、名産品となっていった。ただ、昭和40年代以降、さまざまな環境の変化もあって、この水域での天然物は極めて珍しくなっている。

◆絶妙な火加減

 「焼貝 あこや」(東京都渋谷区)は、その時々のおいしい貝を全国から取り寄せ供している。ハマグリを焼く際、二枚の貝を結びつけている蝶番(ちょうつがい)の部分を切り取っておき、焼けても弾けないようにしておく。これは火を入れ過ぎないための工夫でもあり、こうしておくとエキスを一滴も無駄にしない。絶妙の火加減で、貝のやわらかな食感が堪能できた。

 うしお汁も貝が開いたら、すぐに火から下ろす。調味料は一切使わない。口の中に磯の香りがふんわりと広がった。これをアテに日本酒を楽しむ人も多いという。店を運営する多幸(たこう)の田中浩一社長は「ハマグリと日本酒の相性は最高です。合わない日本酒なんてないんじゃないですか」と語る。

 圧巻は酒蒸しだ。季節の野菜を合わせるのがこの店の流儀で、この日は芽キャベツ、ウド、ニンジン、タカナの芽などと一緒に。春野菜がハマグリのうまみをまとい、それぞれの味の個性が一層際立つ。

 田中社長は「今、肉や魚を熟成させるのがブームですが、貝を熟成させるということはしません。貝にとって一番大切なのは鮮度なのです」

 

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